入籍をした。
これで名字が変わった。
名前の変更をしなくてはならない。
最初夫は「それのどこがそんなに大変なの?」って感じだった。
免許証の変更なら警察でやってもらえるよ?
それぞれの所へ行って手続きすれば良いんでしょ?
簡単だよ?という響き。
そーではない。
簡単か、難しいかの話ではないのだ。
すべての名前を変える面倒臭さを、私はなげいているのだ。
婚姻届を提出した時、私だけ「次はあそこに行って下さい」「それが終わったら次はこっちに」と、そこで出来る名前の変更を提案された。
どれも微妙に時間がかかる。
一緒に待ってくれた夫はやっと、「これ、大変なんだね」と、言った。
あとマイナンバーカードの名前の変更があったが、もうお腹ペコペコだったので、それはまた今度にした。
夫が名前の変更の面倒臭さを理解してくれたので、もう、いい。
手続きはまだまだある。その時に今日の続きをすればいい。
入籍のお祝いに、回転寿司に入った。
入って分かったのだが、そこはサビれた回転寿司だった。お昼なのに人がまばら、、、。
夫は地元の人なんだから一言言ってくれれば良いのに、、でも、知らなかった模様。
夫も「あれ?ここは人がいないね」と呟いた。
人が多い場所が苦手な夫は、何となく嬉しそう。
人が少ない=美味しくない、という可能性もあるので、恐る恐る食べてみたけど、いたって普通の回転寿司の味だった。
てっきり夫が会計するのだと思って、ややセーブして食事を終えたのだが、「これって食費に入る?」と夫は言って来た。
夫は賭けに出たのだ。
私が食費だと言えば、夫は払わなくて済む。
と言うか、ピンチだからこそ出た言葉なんじゃないか?
お前、、そんなにお金が無いのか?!
私は今無職なんだぞ?
無職にタカるなんて、、
まさか、入籍した時の食事を私が払うとは思ってなかったが、、私は払った。
無職の私におごらせた。
私は今日の日を絶対忘れないだろう。
同じ日、夫宛の荷物が届いた。
新車のホイルだそうだ。
ホイホイと嬉しそうに玄関に飛び出した夫。
そうか、、、車のホイルにはお金は払うが、私との食事は、、、そうか。
もう絶対に今日の日を忘れない。