まるで鬱病のように体が動かない。
ダルい。ダルくて眠い。いつまでも眠い。そして気持ちが重い。
いつもなら出来るご飯の支度がなかなか進まない。そしてとうとう夫が帰ってきた。
夫に、今日はもう無理だと伝えると、夫は急いで私の布団を敷いてくれた。
「僕の事はいいから、休んで」
涙をこらえて布団に入る。今日は休みだったのにご飯が作れないなんて。泣きたい気持ちだが涙は出ない。
と思ったら、涙が出た。鼻がツーンとして涙がちょろり。悲しいと言うより、八方塞がりな気分。
自分で分析してみた。
今日は、夫の娘さんが旅行のお土産を持ってきた。夫は仕事でいないので、この日休みだった私にいつなら行ってもいいかと夫経由で聞かれていた。
この日、娘さんの旦那さんと子供も一緒にやって来た。
ここで私の心はざわざわした。
夫が不在なので、娘さん一家は絶対ウチには上がらない事は私は知っていた。
でも、もしウチに上がったら?
苦手な娘さんの相手を私1人でしなければならない?娘さん、旦那さん、お子さん、この人達の相手を私1人で?
そう思ったら、気が遠のく感じがした。
ウチに上がらない事を知ってるけど、せっかく来てくれたのだから家に上がってもらうよう娘さんに声をかけた。
案の定、断ってきた。
うん、知ってる。断るのは知ってた。
「せっかくなのに、寝ちゃって、」
と言って、わざわざ車のドアを開けて子供が寝ている様子を私に見せながら旦那さんも申し訳なさそうな顔をする。
そうなのね、冷たい風が車内に入るから閉めて、と、私。
これから娘さん一家は、娘さんの妹さんの家に遊びに行くそうな。
そうなのね、気を付けてね、
そう言ってお互い笑顔で別れる。
ウチには上がらず、ウチから15分そこらの妹さんの家に今から行くんだって。
ウチに上がってもらいたいワケではない。そうなったら私が困る。苦手な娘さんとは1分だって場が持たない。
向こうも、最初から上がるつもりもないのににこやかな対応。
疲れる。疲れる茶番だ。
お土産を受け取り、娘さんの車を見送る。
夫が仕事に行ってから娘さんが来るまで、生きた心地がしなかった。せっかくの休みが台無し。帰ったら帰ったでどっと疲れた。
そこから何もしなくなった。ため息ばかり出て、動くのが億劫でどうしようもない。
夜もずっと横になっていた。
別に夫の娘さんが私に何かしたんじゃない。夫の娘さんは私ににこやかな対応をしたまでだ。
嫌なことも言われてない。嫌な態度も取られてない。
だから何一つ夫に報告できない。
アナタの娘さんが今日来た事が苦痛だったの、と言ったところで、夫は分かってくれるだろうか?いいや、分かるはずもない。自分の可愛い娘なんだから。
言っても夫に理解してもらえない。
でもこんなに苦しいのは確か。
そう思うと涙が出た。
解決できない事に涙が出る。
こんな感じなのに、夫は、「GWにみんなで集まろう」と、娘さん達に声をかけている。
夫はいい。自分の娘達なんだから。
私は、地獄だ。夫の娘さん達に会うくらいなら自分の娘に会いたいわ。
夫の娘さんに会う時間があるのなら、その時間を私の娘と会う時間に使いたいわ。